夏の名曲と言えば、サザンオールスターズの「真夏の果実」ではないでしょうか!?
楽譜を作ってコード進行やメロディーを分析してみたところ、JPOPにおける王道がたくさん使われており、いい曲になるべくしてなった曲である、ということがわかりましたので、シェアしていきたいと思います!
実はこの曲、職場で大変お世話になった上司の方が転勤する時の送別会で一緒に演奏した、とても思い出深い曲なんです…。
N課長、その節は僕の無茶振りを引き受けてくれて本当にありがとうございました!
YouTubeチャンネルに解説動画がありますので参考にしてみてください。
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目次
イントロ
イントロのコード進行
- C | G/B | Am7 | Em7 | Fadd9 | C | Dm7 | G7
イントロのポイント
王道その1、「カノン進行」が使われております。と言っても純粋なカノン進行ではなく、オンコードを使ったりセブンスコードにアレンジされていますが。
カノン進行とは、パッヘルベルの「カノン」に使われているコード進行のことです。
- C | G | Am | Em | F | C | C | G
これが純粋なカノン進行なのですが、どうでしょうか。
イントロのコード進行と同じ部分もあれば、ちょっと違う部分もありますね。
こういう使い方を、「崩して使う」あるいは「ちょっといじって使う」というふうに表現したりします。
この進行を使えばどんなメロディーでも名曲っぽくなる、JPOPの王道的な進行なのです。
Aメロ
Aメロのコード進行
- C | G/B | Am7 | Em7 | Fadd9 | C | Dm7 | G7
- C | G/B | Am7 | Em7 | Fadd9 | C | Dm7 | G7 | C
イントロとほとんど同じ進行ですね。
Fadd9は前回の「ひまわりの約束」の記事で紹介した“グリップ式”で押さえることで、難しいバレーコードを使わずとも押さえることができます。秦基博「ひまわりの約束」ギター弾き語りコード解説!高音発声に理想的な”ナベアツ唱法”でハイトーンを攻略しよう!
それからリズムについて。ボーカルのリズムですが、すこーしハネ気味なことに気付きました。これは文章で表現するのが難しいので、動画を見てください笑。
この桑田さんの独特のハネたリズムが、なんかよくわからないけどウキウキしちゃったりノリノリになっちゃう秘密なんだろうなあ。
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Bメロ
Bメロのコード進行
- FM7 | G7 | Em7 | A7 | Dm | C#aug | Dm7/C | Fm/G | G7
Bメロのポイント
王道その2、Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ進行です。JPOPの王道進行と言われることが多いですね。
どこかというと、FM7→G7→Em7→A7のところです。
これを使えばどんな曲にも切なさと情熱が相まったような雰囲気をもたらすことができる、魔法の進行です。
かといって何も考えず多用すれば、当然ありきたりなものになってしまいますね。
真夏の果実では、その王道進行に全てセブンス系をつけていますね。
ありがちな進行を少しいじることで、何度聞いても飽きにくい曲作りがされています。
それから、当ブログで何度も紹介している“クリシェ”も使われていますね。
Dm→C#aug→Dm7/Cのところで、半音ずつベースが下がっています。
これが王道その3です。切ない曲にはほぼこの進行が採用されています。
クリシェについて詳しく知りたい方はカブトムシの記事をご覧ください。aiko「カブトムシ」ギター弾き語りコード解説!この曲で、“クリシェ”を完全マスターしよう!
途中のaugというコード、これは「オーギュメント」と読みます。
単体で聞くと非常に怪しい響きですが、このように経過的に使うとなんとも言えぬ哀愁が漂う面白いコードです。
キリンジの「エイリアンズ」にも出てきたので、参考にしてみてください。エイリアンズ 弾き語りギター講座!この曲でJAZZコードをたくさん覚えよう!
サビ
サビのコード進行
- C | CM7 | Am7 | C7 | FM7 | E7 | Am7 | Dm7 | Fm | G7
- C | CM7 | Am7 | C7 | FM7 | E7 | Am7 | Dm7 | Fm(13) | G7
サビのポイント
ここでは王道その4”ソドレミ”です!なんのこっちゃ?って感じなんですが、サビの頭のメロディー、この音階を表した言葉になります。
この音階、数多くのヒット曲に使われているんです。
同じサザンオールスターズですと、「TSUNAMI」に使われています。「見つめ合うと」のところですね。
他には今井美樹さんの「PRIDE」とか、秋川雅史さんの「千の風になって」とか、荒井由美さんの「卒業写真」とかとか…挙げていくとキリがないほどにたくさん使われています。
それほどこのメロディーが流れた瞬間、人は注意を引かれ、心を奪われるのでしょうなあ。
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おわりに
今ほどコード分析の情報が世に溢れていなかった時代に、今でこそ王道と言われる手法を多用し、人の心を圧倒的に奪い去る名曲を作った桑田佳祐さんに、最大限の尊敬の意を込めまして、解説を終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。