夜空ノムコウ 弾き語りギター講座 コードに秘められた感情の変化について

弾き語りギター講座第三弾は、SMAPの夜空ノムコウです!

当時は小学生でなんとなくテレビから流れる音楽番組で聴いている程度でしたが、分析してみると本当に美しい歌詞、コード進行が使われていて洗練された楽曲であることがわかりました。

キーは原曲キーより2個あげてあります。クリスハートさんのカバーバージョンのキーになります。

もし女性の方がカバーされる場合は、カポ3で演奏するとちょうど良いのではないかと思います。

YouTubeチャンネルに解説動画がありますので参考にしてみてください。

イントロから参ります。最高にカッコいいイントロですので、是非挑戦してみましょう。

これも前回のOne more time, One more chanceと同じく誰もが聴いたことのある曲ですので、イントロをサラッと弾くだけでウワー!カッコいい!ってなること請け合いです。

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イントロ

イントロのコード進行

  • CM7 | B7 | Em7 | D6 | CM7 | Dadd9 | G13
CM7
CM7
B7
B7
Em7
Em7
D6
D6
Dadd9
Dadd9
G13
G13
Dm/G
Dm/G

イントロのポイント

まともなコードが1つもありませんね。でも大丈夫!バレーコードは1つもないし、押さえること自体は簡単です。

イントロのようなソロギターのコツは、コードを把握してコードを押さえながら余った指でメロディーを探すことです。

タブ譜を一生懸命見るよりも、コードと耳でコピーしましょう。その方が曲も理解できるし、コピーにかかる時間も短く済みますよ。

この曲はイントロのコード進行を覚えると、サビもほぼ同じコードで弾けます。最初が最も難関ですが、ここさえできればこの曲は出来たも同然です。頑張りましょう!

この曲はイントロの後に掴みとしてサビがワンフレーズ入ります。

サビ

サビのコード進行

  • CM7 | B7 | Em7 | D6 | CM7 | C/D | GM7 | Dm/G
Am7
Am7
GM7

サビのポイント

Am7とGM7が新出コードです。イントロが弾ければここはリズミカルにコードを刻むだけなので簡単ですよ。

続いてAメロです。イントロやサビと似たようなコード進行です。やや音量を落として、切なげな気持ちで演奏すると雰囲気を出しやすいですよ。

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Aメロ

Aメロのコード進行

  • CM7 | B7 | Em7 | A9 | Am7 | C/D | GM7 | Dm/G
  • CM7 | B7 | Em7 | A9 | Am7 | B7
A9
A9

Aメロのポイント

新出コードはA9だけです。名前は聞き慣れませんが簡単なコードです。

歌に関して、頭のフレーズ「誰かの」の部分がサビの最高音と同じ高さです。

サビより若干弱く高く歌うことがコツです。

Bメロ

Bメロのコード進行

  • Em7 | D6 | CM7 | C/D | GM7 | Ddim
  • Am7 | Bm7 | CM7 | C#m7-5 | C/D | D7(b9) | D7
Ddim
Ddim
Bm7
Bm7
C#m7-5
C#m7-5
D7(b9)
D7(b9)
D7
D7

Bメロのコード進行

この曲はスガシカオさんが浪人時代に付き合っていた彼女さんとの別れ話をモチーフにした曲であるということを、スガシカオさん本人がおっしゃっています。

歌詞の中で、「君が何か伝えようと 握り返したその手は」の“その手“はの部分でDdim(ディーディミニッシュ)という、非常に緊張感のあるコードが使われています。

歌詞は「僕の心を今でもまだ締め付ける」と続きます。

おそらくこの手を握り返されたとき、「ああ、この恋は終わりなんだな」と瞬間的に察したのでしょう。

その時の衝撃を、ディミニッシュというコードで表現したのだと思います。

さらに注目すべきコード進行が続きます。

サビ前のベース音がA→B→C→C#→Dと上がって行ってからのD7(b9)(ディーセブンスのフラットナインスと呼びます)。

このコードの響きは本当に美しい。

失恋した時の衝撃的な感情、でもその中に嬉しかった思い出も混ざっているような、形容し難い複雑な感情を見事に表現していると思います。

原曲を聴いてみても、ここだけバックの演奏がブレイクし、このコードを際立たせていることがわかります。

そして、“あれから僕たちは何かを信じてこれたかなあ“という憂いを帯びたサビに繋がるわけですね。

練りに練られたというか、全ての歌詞、コードに根拠を持たせており、これぞプロの曲づくりだなあと感心しました。

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おわりに

いかがでしたでしょうか。人間の感情の変化をコード進行で見事に表現された、多くの人の共感を得られる、売れるべくして売れた楽曲だと感じます。

またコードネームだけを見ると複雑そうに見えますが、イントロ、サビ、Aメロは重複が多いしバレーコードもBメロに1つだけ(Bm7のみ)なので、意外と演奏しやすいのではないかと思います。

フツーのフォークやロックに飽きてきた、そろそろレベルアップした演奏がしたい、と感じている方にぴったりの楽曲です。ぜひ挑戦してみてください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。